Apple Intelligence / AI
Siri内ChatGPT、OpenAIが「期待を下回った」と裁判資料で認める。Appleが独占を拒否した意味
Apple IntelligenceのChatGPT連携について、OpenAIが裁判資料で利用状況を「期待を下回った」と評価していたことが判明。OpenAIが求めた独占契約をAppleが拒否した経緯と、複数AIを使える設計の意味を整理します。
りんご好きringozuki.comApple IntelligenceにChatGPTが統合されたとき、「Siriの中核をOpenAIが担うのでは」と見る向きもありました。しかし裁判資料から見えてきた実態は少し違います。OpenAIはSiri内ChatGPTの利用が自社の期待を下回っていたと評価し、一方でAppleはOpenAIが求めた2年間の独占契約を拒否していました。AppleにとってChatGPTは「唯一のAI」ではなく、必要に応じて使える外部AIのひとつだったことが契約面からも見えてきます。
OpenAI自身が「期待を下回った」と評価
OpenAIが9月22日に提出した裁判資料は、2024年12月に始まったApple IntelligenceのChatGPT連携について、自社の期待ほど利用が伸びていなかったと説明しています。訴えが提起された時点の評価に「dramatically underperforming」、2026年3月25日にAppleへ伝えた評価に「persistently underperforming」という表現が使われています。
これはSpaceXAIとの訴訟でOpenAI側が示した主張・資料です。裁判所が利用低調の原因や競争への影響を認定した判決ではありません。
具体的利用者数は黒塗り
2025年1月の段階で、連携を通じて直接獲得する「ログイン済みの週間アクティブ利用者」の増加予測を引き下げたことが記されています。広報効果などによる間接的な利用増とは分けた指標です。
具体的な予測値や利用者数は黒塗りになっています。何人が利用したか、予測から何%下回ったかは算出できません。Siri経由の利用についての説明を、Apple製品の利用者全体がChatGPTを使わないという話へ広げることもできません。
SiriからChatGPTを使うにはopt-in
資料は、Siri内または設定で利用者が明示的に有効化する複数段階の手続きを説明しています。Apple製品に搭載されれば自動的に全員がChatGPT利用者になる、という設計ではありません。
このopt-inの説明と利用低調の評価は、資料内の別々の事実です。手続きがあることだけで、それが低調の原因だったとはいえません。
なぜ伸びなかった? 原因は断定できない
利用者が確認操作をどう感じたか、外部AIへの情報送信を気にしたかなどを、この公開資料から測ることはできません。連携の利用機会や既存アプリとの使い分けも含め、原因を比較するデータが必要です。
りんご親父のコメントにある手間や心理的抵抗の話は、可能性についての感想です。検証された因果関係とは区別します。
OpenAIは2年間の独占を求めた
契約交渉について、資料はOpenAIが当初、双方を拘束する2年間の独占的な取り決めを求めたと説明しています。Appleが独占を要求し、OpenAIが拒否したという順序ではありません。
Appleは独占を拒否
OpenAI側の説明では、Appleはその要求を受け入れませんでした。最初の外部モデル提供者としてChatGPTを導入することと、将来の他社モデル導入まで禁じることは別だったと読めます。
契約は他社AIを追加できるnon-exclusive
2024年5月4日のサービス統合契約は非独占です。Appleは同様の機能を他社から調達でき、自ら開発することもできるという内容が資料で示されています。OpenAI側にもApple以外との取引を禁じる契約ではありません。
この契約上の自由は、すべてのAIサービスが現在Siriに接続済みであることを意味しません。実際に使える連携は、その時点の提供機能で確認する必要があります。
Appleは最強LLMを1社に固定しない?
ここからは契約と現在の製品をもとにした見方です。Appleは9月のSiri AI公式発表で、次世代Apple Foundation ModelsをGoogleおよびGeminiモデルと協力して構築し、端末内とPrivate Cloud Computeで動かすと説明しています。
Siri AIを支える基盤モデルの協業と、必要時に外部ChatGPTへ依頼する拡張機能は、同じ層の仕組みではありません。ただ、特定の外部AIとの独占を避けた契約は、将来の選択肢を残すものと考えられます。「常に最強のLLMを自動選択する」というApple公式戦略が発表された、とまではいえません。
Siri AIの外部モデル連携と利用条件を読むSiriがAIを振り分ける入口になる可能性
利用者が入口としてSiriを使い、依頼の種類に応じて別のAIを利用する設計は、今後の注目点です。これは契約が残した可能性についての分析であり、振り分け方法、対応サービス、将来の提供時期を確定するものではありません。
利用の低調というOpenAI側の評価と、Appleが非独占契約を選んだことを分けて読むと、今回の資料が示す範囲も明確になります。
裁判資料から確認できる重要な点は2つです。Siri内ChatGPTの利用はOpenAIの期待を下回っていたこと。そしてAppleはOpenAIが求めた独占契約を受け入れず、他社AIも追加できる契約にしたことです。Appleが今後、Siriを複数のAIへ仕事を振り分ける「入口」にするのかは注目点です。
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※製品仕様・価格は発表時点の情報です。
